音楽を楽しむには
お好みの曲が何であれ、音楽を聴くことは人生の喜びのひとつです。 人工内耳装用者の中には、ごく簡単に音楽を聴けるようになる方もいらっしゃれば、少し時間のかかる方もいらっしゃいます。
人工内耳は、本来、難聴者による話し言葉の理解を助ける目的で開発されました。 音響理論上、話し言葉と音楽は同じ特質をいくつか共有していますが、両者にはまた重大な相違点も存在します。 装用者それぞれの医学的な特徴、聴く音楽の種類、取り巻く環境、そして個人的な意欲さえも音楽の楽しみ方にすべて係わってきます。 練習することで、音楽を聴くために必要な技術を身につけることが可能です。 音楽を楽しむ上で大切なことは、現実的な期待を設定することです。 人工内耳の装用者にとって、音楽は失聴前と全く同じようには聴こえないかもしれません。しかし、適切な方法で取り組むことにより、すばらしい音楽体験を実現させている多くの装用者がいます。 練習を重ねることが、音楽を心から楽しめる手助けになります。以下は、音楽を聴き取るための実用的なヒントです。
1. 聴き取る環境を慎重に選択しましょう
- 一般的に、反響のない静かな部屋のほうが、音楽はより快適に聞こえます。
- 装用者の中には、イヤホンを使用する、またはスピーチプロセッサに直接接続して聴くことを好む人がいる一方、スピーカーから聴くほうがいいという人もいます。 どの方法を選ぶ場合も、品質の高い機器を使用することが大切です。
2. 聴く音楽を慎重に選択しましょう。
- 失聴前に親しんでいた音楽は、比較的容易に理解することができます。
- 少ない楽器で演奏された音楽から聴き始めましょう。最初は、大人数のバンドやオーケストラよりも、独奏あるいは小人数の合奏のほうが適しています。
- 同じ音楽パターン、または同じ歌詞が何度も反復する歌は、比較的容易に理解することができます。 また、子ども向けの音楽は、お子さまばかりでなく、成人の装用者にとっても、聴き取りの練習に適しています。
3. 現実的な目標を設定し、きちんと計画を立てて練習しましょう。
- 聴き取りの練習は、短く分けて何度も繰り返して行いましょう。 長期間にわたって短い練習を繰り返すことは、長時間の練習を数回だけ行うことよりも、効果的です。 音楽がすぐによく聞こえると、期待してはいけません。 多くの装用者は、時間を掛けて何度も聴くことにより、音楽の聴こえが向上したと報告しています。
4. 質の高い音を聴きましょう。
- 適度な音量を保ちましょう。
- 装用者の中には、CDやMP3など、デジタル方式で録音された音楽は、比較的容易に理解できるという人がいます。
5. 視覚的な補助を利用して、耳と脳に働きかけましょう。
- 歌手の唇の動きを見る、ピアノ奏者の指の動きからリズムをつかむなど、視覚的な手がかりを利用して、音楽を聴き取る助けにしていきましょう。
- 歌詞を読みながら、歌を聴きましょう。 多くの歌詞は、インターネットを通して入手することができます。
6. 音楽を楽しむ目的を広げましょう。
- 音楽は、単なる音の羅列(られつ)ではありません。多くの人々と、時間を共有して楽しむ社会的な活動でもあるのです。 コンサートなどの音楽イベントでは、何を着て行くか、誰と行くかなど、計画を立て、社交的な側面を楽しむことも忘れないでください。
- コンサートなどの音楽イベントで大音量に圧倒された場合は、途中で静かな時間を入れるように心掛けてください。 スピーチプロセッサの音量を下げるか、スイッチを切り(ロビーまたは化粧室に行っても構いません)、再び音楽を聴く準備ができるまで、耳と頭を休ませてください。
- 周りの聴き取り環境について、積極的に取り組みましょう。 たとえば、レストランを予約するときは、店内のスピーカーからできるだけ遠くの席をリクエストしてください。これによって、会話の障害となる周囲の騒音を少しでも軽減させることができます。 「音楽を聴くこと」に関する詳細は、病院の先生にご相談ください。
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