グレースの場合
グレース(11歳)のピアノ演奏と元気に満ちあふれた話し声を聴いていると、彼女に重度の聴覚障がいがあるとは、とても信じることができません。
驚くべきことに、グレースの学業成績は、建聴児である多くの同級生を上回っており、 シンガポール国内の生徒中上位1%という優秀な成績を誇っています。グレースは、英語と中国語、フランス語を学び、ピアノは5級、バレエは3級の腕前で、フェンシングや書道、生け花をたしなみ、さらに読書も大好きです。
グレースのお母さんは、彼女との感動的な体験を語ってくれました:
グレースが重度の聴覚障がい者であると知ったとき、私たちは彼女の将来について大きな不安に襲われました。 彼女にとって、意思を伝える手段は手話に限定されるのではないかと思ったからです。 そんな時、ある友人が「人工内耳」を教えてくれました。
人工内耳について調べてみると、重度の聴覚障がい児において、補聴器使用時よりも人工内耳手術後の方が発音の明瞭度が改善されやすいことが分かりました。 私達には、人工内耳を装用している子どもの方が、発話や発音の向上に期待ができるように思えました。 そして、私達は、人工内耳という、この選択に賭けてみようと決断したのです。
私たちは、グレースがまだ幼い、できるだけ早い時期に人工内耳手術をすることを決断しました。
音入れから数日後、彼女は私が歌う童謡に反応を示し、私にはグレースが歌を理解しているように思えました。 その後、徐々に言葉を話し始め、1年も経たないうちに、健聴の子どもたちの言語発達に追いつきました。
10年が経った今では、健聴児と見間違うほど普通の子どもです。 他の子どもと同じように、マクドナルドに行ってハンバーガーの注文だってするのです!
グレースは、8歳のときに人工内耳の両側装用を始めました。これにより、音の位置がもっと確認し易くなったようです。 本人も両側装用を始めてからの方が、片側だけのときよりも良く聞こえると言います。 両側装用にすっかり慣れた彼女は、一側のスピーチプロセッサしか付けていないときは、当たり前のように、もう一側のスピーチプロセッサを探しています。
お子さまに両側装用をお考えのご両親には、できるだけ早く決断し、両側装用を始めることをお勧めします。 その恩恵がより早く享受できるということだけでなく、手術の感覚が短いほど、子どもが容易に両耳聴に順応できると思うからです。
「人工内耳がなかったら、私の生活は全く別のものになっていると思います。人工内耳なしでは、雷みたいな大きな音しか聞こえないと思います。 人工内耳がなかったら、人の声は聞こえないし、コミュニケーションができなくなるから困ります!」 - グレース
